バットファンでも、そうでなくても、とりあえずこの映画は見て欲しい。レゴというとどうしても子供向けと思われがちだが、その印象を全て吹き飛ばす、とても濃い内容。バットマンの存在意義、彼の恐怖、家族のあり方、幸せ、ヴィランとの関係...バットマンのシリアスな面を、コメディタッチでかつ深く描くやり方は最高としか言いようがない。また歴代のコミックや映画、また特に66年TVシリーズなどバットマン全ての作品に対してのリスペクトも素晴らしい。ぜひとも映画館で再び見たい。

LEGOムービーのスピンオフのシリーズだそうですが、ほぼ独立した別作品です。まず、過去のコミックやテレビシリーズ、映画などに対するリスペクトが素晴らしいです。 レゴのせいか、宣伝が子ども向け作品のように扱われてしまったのが本当に、本当にもったいない。過去作品や他作品の有名シーンやオマージュ、敵キャラクターがチラチラ出てくるので、むしろ大人にニヤリとして欲しい作品です。 そしてハチャメチャで爽快な展開でありながらバットマンの世界を壊さない絶妙なさじ加減とバランス感覚には感嘆してしまいます。それに加え、レゴ世界のキラキラした映像がとても美しい。特に、一仕事終えたバットマンが上機嫌でメカを駆使し帰還するシーンが素晴らしく、彼の高揚した気分が観るものにも心地よく伝染していきます。この場面はどうしても大画面でもう一度観たい。個人的にはこれが映画館で観たい一番の理由です。もちろん、主役の彼はレゴながらちゃんと「バットマンらしい」バットマンです。レゴの強みである可愛らしさ、なんでもありな世界観をうまく使いつつ、本当によくまとまったバットマン像だと思います。 観た後はなんだか爽やかで優しい気持ちになる とても素敵な映画です。