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ストレンヂア -無皇刃譚- を映画館で観たいワケ

  • No Name No Name
  • 監督の「動かすことで楽しめる作品」という言葉を、観客は痛いほど噛み締めることになる。                            監督のその言葉通り、アニメーションとは「動かすことで楽しむ表現」だったことを誰もが思い知らされる。この大気感、この重力感、この息遣い、全て「動き」ひとつで伝えきったこの作品を、もし埋もらせてしまえば、アニメーション業界の制作、観客どちらにとっても度し難い損失だ。                                   そして音楽もこれがまた素晴らしかった。作画が既に持っている疾走感とテンポに合わせて、それ以上にさらにリズムの良さを与えている。その小気味良さの高揚感といったら並大抵の映画でも中々見られるものではない。最後の決闘のシーンに至っては、ただでさえ巧い構成のカットを、さらに曲が完璧にその場を制し、目が離せないどころか心すら引き込まれてしまった。あの壮大さは劇場で聴いてしまったらどうなってしまうのかと末恐ろしいほど。                           また話も決して陳腐なものではなかった。いわゆる“王道”を即ち“陳腐”だと感じてしまう今の風潮だからこそ改めて見て欲しい。「見るということ自体に、あなた自身が創るというけはいがなければならない。」というのは岡本太郎氏の言葉だが、この作品を見て創造できる世界や精神は、果たして陳腐なものだったのかどうか。もう一度確かめてもらいたい。                                          「動く」を楽しむのはアニメの利、「見る」を楽しむのは映像の利、そして「動く」「見る」「楽しむ」を一番最高の空間で魅せるのが映画館のスクリーン。これこそ劇場であるべきアニメーション作品、映画館のスクリーンでこそ生きるアニメーション作品だ。

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