三億円事件は、おまけみたいに思えてしまうほど いつの時代の若者でも経験する切ない時間をしっかりと見せてくれました。 「角材振り回すもよし、だけど権力にとって痛くもかゆくもない、だから俺は頭で勝負したい。お前が必要なんだ」 こんなセリフだったと思いますが、響きました。 そんなジレンマの中、大人にならざるを得なくなってゆく若者達の姿と 信念のもと、しっかりと戦いを挑む若者の姿を映し出し 最後には哀しく切ないエピソードで終わります。 出演を熱望した宮崎あおいさんは見事でした。 世の中と距離を置き拒絶する表情と、好きな人たちといる時に見せる笑顔のギャップ。 自分を必要だと言われ、全てを投げ出して何かにかけるという初恋の純粋な気持ちを表すところ等、 彼女の演技を見るだけでも価値があると思いました。