追記　　公開当時の上映環境も参考までに記しておきます。配給は東宝東和。この時期は東京ムービー新社（トムス・エンタテイメント）の作品や「プロ野球を10倍楽しく見る方法」などが洋画系の劇場で上映されており、この作品もＣＭ人気からなのか、都内のメイン館は日比谷スカラ座でした。東宝洋画系としては規模は大きいほうでした。上映していたのは32年前のこの時期ですね。劇場編成としての待遇はかなり良かったほうだと思います。後の「レインマン」や「ミッション：インポッシブル」もこのチェーンでヒットしました。　

80年代中期の劇場アニメ作品で鑑賞が実現して欲しいのは「オーディーン」とこの作品です。ビールのＣＭキャラクターから誕生した劇場版ですが、インド映画のような唄って踊っての明るいモードではなく、戦争の暗い影を引きずる物語になっていて、ＣＭでの可愛いキャラとは正反対の展開です。　随所に松田聖子の曲が使用されており、中でもヒット曲にもなった「スウィート・メモリーズ」の使い方が効果的だったのが印象に残っています。　ヴォイスキャストも佐藤浩市、奥田瑛二、ケーシー高峰、鈴木瑞穂など実写作品でも知名度のあるキャストで固められており、宮崎アニメとは違った形で葛藤と再生のドラマに仕上がっていると思います。　しかし残念ながら過去にVHSがCBS/ソニーから発売されただけで、未DVD化のままです。　版権の問題がいろいろとありそうなのは理解しますが、作品自体がいつまでも埋もれたままでいるのは非常にもったいないことです。　今ではペンギンキャラは未成年者への飲酒を助長するような禁断のキャラクターになってしまうのでしょうが、キャラも作品にも罪はありません。　リクエストされた方々が過去にいるようですが、誰もこの作品の良さを書き込まれている方がいませんので、僭越ながら一石を投じさせていただきます。