3回目のティーチインで、本作の美術監督を務められた山口渓観薫さんが「関わっている人みんなが本気でいいものを作ろうとした結果がこれ。いいものを作ろうとした人たちの作品です」と仰っていた言葉が、とても印象に残っています。まさにその通りだと感じました。 テーマは陸上競技の100m走でありながら、劇中で投げかけられる「何のために走るのか」という問いは、いつの間にか「自分は何のために生きるのか」という哲学として静かに、しかし確かに胸に残ります。 陸上を経験した人はもちろん、未経験の人、陸上以外の何かに今全力を注いでいる人もそうでない人も——この作品だからこそ得られる、唯一無二の高揚感を味わえるはずです。 惜しくも劇場で体験できなかった方にも、ぜひスクリーンでこの極上の体験を味わってほしい。心からそう思える、最高の作品でした。