ハゲタカで敵味方として対峙する二人 ここではおおいに子育て失敗した父の業 それでも父を求める息子の業として、見られます。 ほとんどもの言わぬ二人。 今回ハゲタカで男として見てもらえたと綾野さんが言っておられたのも印象的。 今だからもう一度映画館で。

「武曲という映画が深く広く愛される未来でありますように」と、この映画で日プロ新進男優賞を受賞した村上虹郎さんのコメントにありました。そんな素敵な作品を、またスクリーンで観る機会に恵まれますように。

幼い頃から蓄積された父への憎しみが高まり、遂に 暴発してしまう。それは自分で自分の存在も否定するということだった。苦しみ抜いて辿り着いた場所。父の笑顔を思い出すシーンで 綾野剛さんの「誰にでも必ず 親はいるんです」完成披露試写会でのコメントが胸に沁みました。

雨の中の対峙は大スクリーンで！あの迫力を体感してほしい！

夏の緑濃い山手、風の吹く海辺など、背景の奥行きと美しさは大きなスクリーンでこそ楽しめると思います。また、剣道のシーンで踏み込む足の音も、ホール状の空間で響かせたい。賞レースにはあまり縁がなかった中、日本アカデミー賞で村上虹郎さんが優秀助演男優賞に輝いたのが納得できる作品です。