監督は「愛していると言ってくれ」、「ビューティフルライフ」、「ロングバケーション」等多くのドラマの脚本を書いている北川悦吏子さん。プロデューサー（撮影監督）は「花とアリス」、「Love Letter」、「スワロウテイル」等独特な世界感と映像美を持つ岩井俊二さん。 もう３０回以上はDVDを見返しています。 北川さんのドラマのエッセンスであるリアリティ溢れる主役二人の気持が溢れるやりとり。台詞は北川さんの本をベースにした演者のアドリブですが、今まで見て来た北川さんの本そのものです。 そして北川さんの描き出す主役二人が動く世界を与えるのが岩井さんの映像。 逆光気味に柔らかい光に溢れている。手持ちで撮り長回しした映像は役を透かしての演者自身を映しだしています。 そして主役二人が素晴らしい。アドリブの演技を楽しんでいる自由で躍動感に溢れる雰囲気が伝わってきます。 派手な映画、ドロドロした人間の本質を描き出した映画を好む人にはモノ足りなく感じるかもしれません。しかしこの映画は実に忠実に誰かを好きでいる時の気持を思い出させてくれます。 そして30回以上繰り返し見た自分にさえも劇場でちゃんと見たいと思わせてくれます。