この作品の音楽を手がけたエンニオ・モリコーネ氏が逝去されました。 「ニュー・シネマ・パラダイス」や「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」も余韻に残る名曲ですが、この作品での一味違った流麗で官能的なメロディも忘れられないです。 サントラCDは所有していますが、本編と併せて、できればデジタル映像で再上映してほしいですね。

実はこの作品と「思春の森」は初公開時に鑑賞しています。まだ上京していなかった頃なので、この当時は封切り作品の地方公開は2本立てでの上映が当たり前でした。どちらも同時上映はホラー作品だったんですよね。「思春の森」は併映が「オーメン2・ダミアン」で、「エーゲ海」の同時上映は「レガシー」でした。エロスとホラーの組み合わせで鑑賞した青春の思い出です。 池田満寿夫氏の監督作品では「窓からローマが見える」は一度DVD化されたのでソフトを所有していますが、「エーゲ海」は封切り時とゴールデン洋画劇場の初放送でしか見れず、ＶＨＳソフトは中古で入手もコピーガードで画質劣化しており、鮮明な画面で鑑賞する機会がありません。 青と白の色調が印象に残った作品だけに、ぜひ4Ｋで鑑賞してみたいです。 エンニオ・モリコーネの音楽も美しかったことも付け加えておきます。

公開時 私は中学2年生の多感な時期だった。当時はかなり衝撃的な作品で、ジュディオングの「魅せられて」のヒットと共にＴVでも大々的に宣伝していた。しかし、美しいエーゲ海の情景といっしょに金髪女性のヌードが話題になっていた事が純情少年の妄想を広げていた。その後一度TVで放映される機会があったのだがお茶の間では親の権限でチャンネルを変えられてしまった寂しい記憶を残すのみである。早く大人になったら見てみようと誓った14歳であった。 その少年は今50歳代になったのだから、今一度生きているうちに一度は鑑賞してみたいのである。エマニエル夫人も青い体験もＤＶＤ 化されているので見ることができた。しかしこの作品だけはVHSビデオが過去に出ただけで、ＤＶＤ化されていないので、私に限らず今の若い人にも目にすることが出来ないでいる現状である。芸術家である故 池田満寿夫氏が監督をされた芸術作品が日の目を見ない事には氏も草葉の陰で嘆いていることだろう！