裏の仕事と表の顔をそつなく使い分けながら生きてきた中村主水が、江戸の世を仕切る金の力に対し、一人の人間として本気の怒りと意地を魅せつける、劇場版必殺シリーズ最高峰の作品。 　いつもの様式美をかなぐり捨てた、底辺に生きる仕事人達が死の危機に追い詰められながらも足掻き吠える姿を、必殺シリーズでいくども名作を作り上げた名匠・工藤栄一が、命ギリギリの緊迫感を込めて仕上げた大傑作。 　意外な結末と共に湧き上がる思いもまた、あえてこのラストこそ本来の必殺シリーズの持ち味であると言える。 　またこの仕事人達の姿を銀幕で噛みしめたいものだ。