魅力的なキャラクターたちにより軽快な物語が紡ぎ出される本作は、素晴らしい映画であると同時に1980年代の東京が鮮明に記録された歴史的な映像資料でもあります。題字の「TOKYO POP」は、1980年代のアメリカ美術を代表するアーティスト、キース・ヘリングが手がけました。 1988年の公開当時にカンヌ国際映画祭でも上映されたものの、配給会社の倒産によりフィルムが紛失し、35年もの間上映されることがありませんでした。 近年、そのフィルムが偶然発見されたことを機に監督の素晴らしい仕事と本作を愛する関係者の熱意により見事修復され、今年8月に4Kデジタルリマスター版としてロサンゼルスでプレミア公開後、先日の東京国際映画祭でも特別上映されました。 インディーズ映画としては奇跡的ともいえる復活を遂げた『TOKYOPOP』が、より多くの人々に愛される作品となることを願っています。