画もよく動いて綺麗ですが、少年の青春がテンポ良くとても綺麗に描かれています。過酷な世界で理想に向かって強く生きようとする少年が、旅を通して多種多様な人々と出会い、成長し恋をする。少年が持つ正義に共感する大人たちの生き様も人の可能性を見せカッコイイです。少年が大人になる瞬間を目の当たりにしたような、切なくて、それでいて希望に満ちた作品です。ラストに見せる、少年の未来に向かった軽快な走りの清々しさをゼヒご覧頂きたい。

ぜひ劇場で上映して欲しい。この作品を最良の状態で家庭で楽しむのは困難です。普段人が目にし耳にするものがなにげなく映像、音響として納められています。ストーリーはシンプルなボーイミーツガール。しかし、二人の心情の細やかさ、しぐさ、表情を体感して欲しい。そして、メカデザイナーでもある監督のマシンノイズは最高にカッコイイです。

当たり前の感覚を持った若者達が宇宙を夢見るお話です。しかし、そこはアニメ。若者達の住む世界は、古きロシアやアールヌーボー、ゴシックを感じさせ細部まで美しく、その世界に流れる音楽は坂本教授のアグレッシヴな音。何かと世知辛くこじんまりとしてしまう現実世界の今だからこそ観て欲しい作品です。映像はCGがないのに良くここまで描き込んだものです、当時のアニメーターの力量恐るべし。

CGのない時代に作られたアニメです。キャラクターこそ永野さんじゃありませんがデザインはそのままにセルアニメ最盛期の美しさがあります。なんと言ってもK.O.Gが動くシーンは一見の価値あり。