ブレイブストームには特撮ファンの心をくすぐる浪漫が溢れてる。 理屈じゃなく、わくわくする心で見る作品。 少年の心を忘れられない男達、そして少年の心を持つ野郎共を愛おしく思う女性達すべてに見て欲しい。 非合法の、泥臭い賭けボクシングから入る戦いが、やがてヒーロー中のヒーロー的な、メカメカしい巨大メカ同士のバトルへ…これを浪漫と言わずして、何と言おうか？

公開当時、まだ子供だった自分は、大人になったらこの作品に登場する「スコッチキャンディ」を食べてみたいと本気で思ってた…サントリー協力で、この作品のために架空の商品を設定したとか。 (粉末アルコールは存在するので、実際に作ろうと思えばなんとかできるんじゃ？) 劇中で登場する、"スコッチキャンディのCM"には、明石家さんま氏が登場。 それから"極めて異様な通行人"という役柄で片岡鶴太郎氏も出演。 少年隊ファンはもちろん、ファン以外の方でも楽しめる名作だと思う…ファンの皆さまはきっと観にいらっしゃると思うので、他の方にも興味持っていただけたらと思っています。

最終決戦の撮影場所は、大谷石採掘場跡。 見学に行ったことがありますが、独特のひんやりした空気、静けさ、だだっ広いのに圧迫感を感じる場所です。 地面も均されてはいますがやはり石、決して真っ平らではなく、しかも硬い…あの場所で、重い衣装をまとって戦闘シーンを撮ったのかと思うと、本当に、ただただ凄いの一言。 多くの方にこの作品を見ていただいて、少年隊の魅力、そして丁寧に作られた映画そのものの魅力を是非とも知っていただきたいです。

この作品の中で彼らがまとっている衣装…フード付きマントのような「バリアコート」は、重さ10kgもあったそうです。 戦闘シーンではその衣装のまま鮮やかにバク転を決めるイースト(東山紀之)の姿が見られます。 本人は「少し手首を痛めちゃったみたい、衣装は10kgあるけど、いつもやってることだからね」と、涼しい顔で仰っていたそうです。

世の中からはじき出され、ドロップアウトしたダメな奴らが、ダメなりにクズなりに仲間と一緒にしばしの間だけ輝く物語。やってることはどうしようもない犯罪なのに、どうしようもなくダメな奴らが何故か憎めず、愛おしくなってしまう。けれどその時間は、長くは続かない…映画の終わりは、苦しいほど鮮烈だった。

見所は色々ありますが、あえて、衣装や小道具がすごくいいということを申し上げたい。 西暦2550年で使用されているアイテムの数々は、まるでファンタジー世界をイメージさせる造形でありながら、現在ではとても実現できない技術の結晶だったりします。 3人が来ているフード付きマントは、酸の雨や放射能を完全に遮断する効果があります。 トーチは強く握って振り下ろすと先端が伸びて、自動で着火します。 携帯食料は完全食のようなもので、長期にわたる任務中でもそれだけを摂取して活動することが可能…ただし、容器がタバスコそっくりなのでちょっとした悲劇が起こりますがw これらの素晴らしい設定や造形をもう一度スクリーンで堪能したい。 是非お願いします…！