秀逸なオープニング、陰鬱な日常シーンに対しあまりに美しくスタイリッシュな殺害現場、暗澹たる思いに自我を揺り動かされるラスト、不安定になった心をかき乱すかのようにデヴィッド・ボウイの歌が流れるエンドロール。劇場が明るくなるまで、考え込んで席を立つことができなかった映画です。構成もさることながら、大画面で見なくては損なデザイン性も高い作品。ぜひ映画館での再演を希望します。

心象風景の断片が羅列されていく様子は、松本大洋の原作漫画の味わいを損なうことなく表現されていて、そのイメージを埋め尽くすように構築された宝町の世界観がまた素晴らしかった。二次元のこだわりを持った書き込みを堪能できる、大画面で見るに値するアニメだと思います。どうかまた上映願います。